【囲碁レッスン】石の特性を捉えチャレンジしよう【級位者~低段者向け】

囲碁レッスン

こんにちは。井場囲碁スクール講師の井場です。
普段は囲碁のプロを目指している子や囲碁の上達に悩まれている方にレッスンをしています。

囲碁には「定石」という最善のやり取りが行われる決まった形があります。
定石には難しい変化も多く、それらを覚えるのが大変で、あまり勉強したくないという声も頂きます。
では定石は絶対に覚えなくてはいけないものなのかというと必ずしもそうではありません。

実際に大事なのは、その石の特性を捉え、方針をしっかりと定めていくことにあります。
方針がしっかりとすれば知識はなくてもある程度対応できるようになります。
そして定石自体もその特性、方針に沿って使うものなので、
その理解がとても大切ですし、覚えやすくなります。

今回はレッスンから小目の布石を題材に考えていきます。

小目の特性

今回は生徒さんと定先の練習対局からです。

白2の小目に対して、

黒5、7と上辺を大切にしました。

この黒5のカカリには

小目に対する苦手意識がありました。

生徒さんのこの時の心の中の声を見る前に小目の特性を見ていきましょう。

こちらは白の星打ちです。

星打ちは全局的な発展性がありますが、

三々に入られるという

弱点を抱えています。

こちらは白の小目です。

小目に対して隅に入っていくと、
地を取るスペースが少なくなり、

あまり黒の陣地ができません。
黒は隅には入りづらくなります。

そのため小目は隅の地を得る事に
適しているといえます。

小目から次に広げるとしたら
白1の方向となります。

小目とシマリの二手が打てれば
隅の地もしっかりし、
全局の発展性も高くなります。

白1の方向には広げたくないところです。

1路碁盤の端に寄っており、
白地が狭く感じます。

黒が白にカカリを打つ時は広い方、
黒1の方からが小目を発展させない
良い方向といえます。

白はしっかりと隅の地を取り、
黒は全局の発展性を高めていく。

そのような傾向になりやすいのが
小目の特徴です。

なぜカカリが怖いか

それでは生徒さんとの実戦譜に戻ります。

黒5は小目の特性を掴んだとはいえず、
白6と広げたい方に
打たせてしまっています。

ここには生徒さんの
苦手意識がありました。

それが白2のハサミや白Aのハサミです。

小目へのカカリに対するハサミは

星へのカカリに対するハサミとは
根本的に意図が変わります。

本図は星に対して黒1とカカリです。

白2とハサミを打たれても黒3と三々に返せば

まとまった黒地ができるので、
星の定石の場合はかわし方が
わかりやすいです。

小目のハサミの場合、
白は黒に眼を許さず、
全体の攻めを脅かしていきます。

これに対して、
黒は「攻められてしまう、嫌だな」と
思ってしまうようです。

反対側の戦いを意識

しかし小目の特性を見ておけば
黒はそこまで心配する必要はありません。

白4,6は二線の手であり
白は隅を取りましたが、
だいぶ白地は減りました。

さらには黒7と石が来たことによって
白2の石が弱くなっています。

小目からハサミを打つと、
ハサミの石が弱くなる傾向になり

この場合左辺の戦いが
黒有利になりやすくなります。

白4,6と強引に切り離して
渡ってくることも考えられますが、

白が左側を優先したので
黒は反対の右側を意識します。

黒7と傷を作りながら、
白を凹ませしていけば
黒に大きな模様ができるので

黒が満足の展開です。

白2のハサミにも同様です。
上辺は白地を与える事になりますが、

自然と白2の石は弱くなっています。

黒13とハサミの石を攻めながら
黒17と地を取ることができれば

黒もしっかりと戦えます。

この反対側の戦いを意識して
方針をしっかりとしていれば
小目は怖いものではなくなります。

小目の特性を理解した生徒さんも
次のレッスンからはしっかりと
チャレンジできるようになりました。

知らなくても大丈夫

知らないという事はそれだけで
不安が出てくるものです。

その不安というものは時には
チャレンジする気持ちも奪っていきます。

それではせっかく上達を目指しているのにもったいないですよね。

囲碁は石に特性や働きがあります。

例えば今回の小目のように
特性を捉えてしまえば、
自然と方針はしっかりとします。

そしてそれらは知識が足りなくても
チャレンジする勇気を与えるものです。

定石の勉強をする時間はないよという方も
多いと思いますが、

知らなくても大丈夫です。
石の特性を大きく捉え、
チャレンジしていってみてください。

もしかすると何も知らなくても
自然と定石のように
綺麗に打てているかもしれません。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

今回は小目の布石を通して
石の特性を見ていきました。

囲碁の上達を目指している方には

何事も「しっかりとできるようにならなくてはだめ」という考えを持っている方もいますが、

それは次第に碁の上達に対してハードルを上げていってしまう事になるかもしれません。

大切な事は目の前の盤上で起きている事を楽しむことです。

チャレンジして失敗したことであれば、それは囲碁の奥深さを一つ知れたという

とても嬉しい体験となります。

どんな手でも楽しめるように
一緒に上達を楽しんでいきましょう。

井場囲碁スクールを通して、
自分自身を楽しんで頂けると幸いです。

記事を読んでいただきありがとうございました。それでは今日も最高の1日を。

コメント

タイトルとURLをコピーしました