【囲碁レッスン】教えられた手が正しいとは限らない【有段者向け】

囲碁レッスン

こんにちは。井場囲碁スクール講師の井場です。
普段は囲碁のプロを目指している子や囲碁の上達に悩まれている方にレッスンをしています。

日ごろから囲碁を頑張っている皆様に質問です。
普段から囲碁の先生や、自分より強い人に教えてもらった通りに打てているでしょうか?
その教えてもらった手で窮屈な碁になっていないでしょうか?

「この手はこっちが良いと教わりました」「本でこう書いてありました」
レッスンの時によく聞く言葉です。もちろんそれが良い手の時もありますが、
その手に縛られるがあまり、肝心の盤上で起きている事がしっかりと見えていない事も多々あります。

今回は教えられた通りに打つことで自分自身の能力を妨げている事についてみていきます。

4子局 教えられた手を打つと…?

こちらは生徒さんとの4子局です。白13まで置き碁では考えられる進行の一つです。

ここで黒番です。皆様はどう打たれるでしょうか?

囲碁をしっかりと勉強されている方は黒1またはAを示した人が多いのではないでしょうか。

この手は僕自身もこどもの頃「こう打つのが良いですよ」と上手に教えられたことのある手でした。

生徒さんもこちらを示していました。続きをみていきます。

黒1に対して白2が上手がよく打つ攻めの1手です。

白8などから攻められ、眼がなくなり右上黒が急に攻められている。

そんな経験はないでしょうか?

右上が不安な時は黒7と打つ手がありますが、

白12,14など足早に展開され少しずつ追いつかれていきます。

また白Aの三々入りなどから黒地を荒らす手も残っていますね。

黒7と上辺を攻撃すると良いですよと教えられた方も多いのではないでしょうか。

ですが、白10などと反撃をされてみると、右上の黒も弱くなりますし、中央の黒も負担です。

かといって黒3と守る手はつらく、白4から追撃されて黒が窮屈に見えます。

白2と打たれて気持ち悪いなぁという感覚を持っている方は多いのではないでしょうか?

その感覚、気持ちに素直になる事が大切です。

その感覚を大切に局面をしっかりとみていければ段々と発想が良くなっていきます。

それでは黒1と打つといかがでしょうか?

白2など分断されると上辺の眼が気になります。

また左上隅の黒も弱くなるので白4と打たれると白ペースです。

これも黒としては気持ちの進まない展開ですね。

弱い石を作らない打ち方

それでは相手から打たれて嫌な手を残さない打ち方をみていきます。

黒1と先につながってしまう手が有力です。

白6に対しては上辺の黒と右上の黒がつながったため、

相手をせず黒7と打てば黒のわかりやすい展開です。

弱い石がなくこの後もノビノビと打つことができます。

白6に対しても、すでに上辺の黒一帯は強い石のため手抜きで打てます。

黒7,9と手を抜いて大場に先行してしまえば

4子の圧倒的リードを保ちながら打ち進める事ができます。

教えられた通りに打つことの怖さ

囲碁の上達を目指して頑張っていると、教えられた通りに打つことが良い事だと思い込み

盤上で起きている事をしっかりと見れなくなっている事が多々あります。

実際には毎回のように「この展開好きじゃないんだよなぁ」「でもこれが良いと教わっているし」

そういった窮屈な気持ちで打っていたりします。

しかしながら一度それが正しいと思ってしまうと、そこからなかなか抜け出せない事もよくあります。

頑張って勉強して、良い手をたくさん覚えているのに

それが上達の妨げになっているとしたらどんなにもったいない事でしょうか。

皆様はどんな碁が打てるようになりたいですか?改めて考えて見て欲しいです。

まとめ

囲碁を頑張っている人ほど「これが良い手ですよ」と教えられた事に一生懸命になりすぎて

正しいと思い込みそれに縛られ、視野が狭くなっていきます。

僕ら教える側もやはり誰かに囲碁を教えられ

それを無意識のうちに人に伝えてしまっている事も多々あります。

そういった連続がその人自身の能力を妨げているのです。

その事に気づき、一度すべてを忘れ、

盤上で起きている事をただ見るようにすることができれば

面白いくらい盤上で起きる出来事を楽しめるようになります。

井場囲碁スクールを通して、自分自身を楽しんで頂けると幸いです。

記事を読んでいただきありがとうございました。それでは今日も最高の1日を。

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